- 2010-07-24 (土) 17:59
- プラソン
プラソン・ニッチェ・オサルトル、通称プラソンは悲しかった。彼は営業停止となってし
まった、その中野のラーメン屋が大好きだった。ラーメンの味はそこそこ。時折、スープの
中でゴキブリやハエが溺死しているのを発見したが、そんなことはほとんど気にしなかった。
彼はラーメン一杯で3時間粘り、ひとりで瞑想したり、仲間と哲学談義に耽ったりしていた。
いわば、そのラーメン屋は、彼にとって、かつて芸術家や文学者たちが集い、それぞれの思
想・哲学を熱く語り合ったパリのカフェと相通じるところがあったのだ。
それが営業停止である。やはり衛生上の問題が原因なのだろうか? それとも麻薬の密売
が行われていたとか、犯罪組織と関わっていたよか、他にヤバイ理由があるのだろうか?
しかし、プラソンにとってそんな理由などどうでもよかった。彼はショックを抑えつつ、
ノロノロと歩き出した。ズボンのポケットの中に入ったままの550円のラーメン代をチャ
ラチャラ言わせながら。
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